その音は、心に響く。

「帰った」

そして

「また、一人か・・」

そう呟く瞬間だろう。と、自分は思う。

侘しく重い、その音の後は“いつも通り”。

悲しく響く、その音の後は“つまらない静寂”。

《カチ》

心についたドアは閉められ誰も、この部屋に入れない。

ドアを叩く音と、インターホンが高らかに鳴ってもその扉は開かない。

その中にいる誰かが、きっと既に鳴いてるんだ。

自分を哀れみ

自分を憎み

自分を自嘲し

他者を憎む。

その部屋は満員で、

誰もが誰もである世界。

誰もが誰でもない世界。

この部屋は、真理も

心理も

理も

神も

悪魔も

すべてが詰め込まれすぎた箱庭でしかない。

その部屋には窓がなく。

その部屋には明かりもない。

ただ、希望や夢が隅っこで自分たちを照らし合ってる。

醜さも

傷跡も

新しい傷も

弱い自分も

出来損ないな自分も

そして、好きになれる自分も

照らされている。

そして朝日が、昇ると僕は鍵を開ける。

鏡を見る前に。

自分を嫌いになる前に。


[人のやさしさに触れたとき]


人のやさしさに触れたとき、

その美しさを見たとき

その明るさを見たとき

時に元気に

時に憂鬱に

時に、エゴが僕を突き動かす。

哀れみでもなく

悲しみでもなく

憎しみが、行動の根源を支配する。

花が美しく咲き

鮮血がその場を照らすように。

僕は歪になっていく。

残虐的に

残酷的に

自虐的に

その血溜まりの中で、鮮血の姫君を抱きながら

深く

深く

眠る。

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