美しい人。

2003年1月8日
美しい人だった。

切ないなにかだった。

この感情が、人を殺すのかと疑った・・。

己は?ソレ?を許されるモノではない

己に杭を打つ。もう二度と、こんな感情が芽生えぬようにと

その肌に、すべてを委ねまいと

その腕に、唇をつけまいと。

ただ、己に懇願する。やめるのだと、苦しむなと。

涙を流しながら・・

その渦りに、終止符を。

杭を打つ、自分の柔らかい心臓に

流れ出る・・銀色に輝く血液に。

セツ・アベノは、旅をする。

揺れる、人とヒトとの狭間で

その柔肌に

その憂いの瞳に

そのいつ枯れるか判らぬ美しいヒトに。

風が、恋しく感じる。

あの香りを、乗せた風。

背嚢は揺れる、ヒトを殺すただの武具たちの詰まった傷のあざけり

彼の、唯一の逃げ場所。

否定する。

暗闇の虚に耐え

ヒトのやさしさを否定する。

ただ歩くのだと、立ち止まるなと

願え、神にでも。

奇麗事の、白紙の夢に。

何処かであった、兇つひの少女は生きているのだろうか?

あの獣は、喰らわずに生きているだろうか?

ふと、考える。

その武具を研ぎながら・・

己の、素直さを研ぎ澄ましながら。

響く・・悲鳴にも似た声。

産声を上げる、いつぞやの恋

そしてまた、杭を打つ。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

日記内を検索