砂漠で力尽きようとしていた。

仰向け、空は黄昏。

余りにも、その砂漠と満月が美しすぎて胸が軋む。僕はそれなりに生きて、でもそれは嘘のようにも思え・・。

気配がした。それは人のような、獣のような気配がした。

ファミニ・ミルキオーレの投与、10.6ml。並びに、併用パラボナーゼを使用。錠剤ジプレキサも使った。副作用で空腹感を感じる。生き地獄はもう始まっている、気にする必要は無い・・・。

寒さが、体の体温を奪おうとしていた。耳鳴りと、それに千の針の痛さ。そのせいの虚像なのか、僕は疑った。

自分は、今まで人に責任を押し付けてきた。それは、やっぱり重過ぎたからかもしれない。誰かに助けを求め、その手をはじいてきたようにも思う。弱い、脆弱な僕。

でも、それはなんとかすればいいし、手を取り合えばいいし。希望を元に、目線を変えればいいし・・。気配は、やっぱり漠然とあった。どこにその気配があるのか、僕は知らない。

でも、何故かその嘘に僕は落ち着いていた。嘘は、なるべくつかないように。それでも、僕は嘘に守られた。そのおかげの強さ。

満月は、まるでぽっかりあいた空の孔。多分、向こうには現実からの逃げ道があるのだろう・・。

朦朧とした頭の中、そんなくだらないことを考える。

“死にたくないなぁ”

そんな考えはいつの間にか消えていた。

やさしい嘘が、隠してしまったようだ。哀しさはない。

投げやりでもなく。

骨の冗談でもなく。

どっかのセカイの僕でもなく。

花束の君でもなく。

瓦礫の牢獄の謳でもなく。

血液の絶望でもなく。

適度な心の隙間の中、僕は泣く。
また、僕は駄目になりそうになった。

すると、気配は言う。

《お前は死なない》

嘘の嘘。それは少し、哀しかった。言って欲しくなかった。

“冗談も程々に”

笑った僕。その笑いは、ちょっと嫌味も混じってた。

自分が、物理的に声を発しているか?耳は答えない。脳も教えない。

それでいいよと気配は言う。

やさしく、精悍な声。それから

《おやすみ》

“おやすみ”

僕は眠った。

そして、こう思った。

ありがとう、僕の片思いの人

“ヒメユリ・アズサさん”

君を抱きながら、僕は死ねる。  

両親。

2003年7月4日
 父さん、あのとき何故救ってくれなかったの?


 父さん、あのとき何故僕に手を差し伸べてくれなかったの?


 父さん、何故あのとき、僕から逃げたの?

 

 母さん、何故あの時、僕を救ってくれなかったの?


 母さん、何故あの時、僕に「我慢しなさい」って云ったの?


 ?何故??


 


 [病院にて]


 泣いてる人がいました。
 
 「なんで、そんな酷いこと云うの?」
 
 僕が病院に着てから、ずっと待合室で・・・

 携帯に、その声を向けて・・・・俯いて。
 
 顔は廊下を映し出していたのでしょう

 その心はすごく篤く、凍てついていたのでしょう

 僕も、あなたと同じなのかもしれません。

 未だ、僕の心にはぽっかりと孔が空いていて凍てついた氷がその孔を塞いでいます。


 哀しいです。けれど生きなければ

 気づかなければ・・僕は先に進めない。
 
 
 
 

 [ゆっくりゆっくり]
 

 ゆっくりゆっくり泣いていよう


 ゆっくりゆっくり笑ってよう


 ゆっくりゆっくり死んでいこう

 ゆっくりゆっくり死に向かい、

 ゆっくりゆっくり生きてゆこう。
  
 
 「う〜ん・・寝たな」

 杉田は頭を掻きながら寝ぼけた口調で云った。
  
 イヤーマイクのコール音

 「報告」

 ≪春日尚之のサルベージ・シークエンスの報告です。まず、移送空間への直接的強制介入と同時に、パラレル・ウィルスの使用それによる局地的侵食を行い±値34.6ギリギリの超空間ワーム・ホールを展開、ハピネス・キーでこじ開けます。それから春日尚之の座標{NK-0.98000}を確認した後二層のバイパス・チューブを構成、構築し救出を試みます≫

 杉田は聞き入った顔をして

 「確立は?」

 ≪?善処します?≫
 
 杉田は微笑しながら

 「上等」
 
 とだけ云った。


 
 備考407


LEXKNIFEの硬度 26.9GPa
 いない。


 [Q.A]

 
 Q.生きるって何?


 A.死ぬってことさ


 Q.死ぬって何?


 A.生きるってことさ  


 でも、それは詭弁で嘘で欺瞞で・・・

 答えなんて、初めから自分自身が決めてるんだよ。

 自分に、価値を見出せない人はもうそれすら気づいてないのかもね。

 
 Q.気づくって何?


 A.回答不能/////・・・・・

 

 何故?

 さあね。でも、すぐに答えを見出せてもそれが真実か真理なのか分からないよ。

 人は、多数決を常識と謳うから・・・

 そして、答えは1つではない。

 まあ、当たり前のことでしかないよ。
 

  


 [生きる2]


 間違えるな

 履き違えるな

 欺くな

 ただ狡猾に

 ただ卑称し

 うまく歩けず、生きれない自分に


 ?すまない?
 

   [それぞれの(リピート部に挿入)]
 

REPEAT    生き方があり

REPEAT    死に方が在り
 
REPEAT    殺し方が在り

REPEAT    夢があり
    
REPEAT    裏切りがあり

REPEAT    存在があり

REPEAT    弱さがあり
   
REPEAT    試される場所が在り・・・・


[片思いの尚之君!]

彼女の頭をなでる。

不意に襲い掛かる芳しい彼女の髪の匂いに不意打ちを食らう。

「解ってるんだ」

これが、贋物で嘘で虚構であることを・・・

「この世界がすでに僕のテリトリー(逃げ場)であることを」

疲れきった表情の尚之は眼の前に忽然と姿を現した少年に、一瞬躯が強張る。

「安心していい。僕は、拒否思想思念体じゃない」

何を云っているのか、さっぱりわからない尚之。

「君は、僕の映し出した鏡ではないんだね?」

尚之は淡々とした口調で話す。

「ああ、僕はずっとここに存る者さ」

続く。


    [欲望を曝けだし]


    好きでいてほしい

    愛していてほしい

    殺してほしい

    放さないでいてほしい

    夢で終わらないでほしい

    ?殺してほしい?

    ?救ってほしい?

    

 

答えと

2003年7月1日
質問の、多くの中で答えが用意されているものは少ない。

二人。

2003年6月30日
 「円熟しきってはいない。だが十全だよ、あの子達は・・」

 師範、と尚之から呼ばれている連は和室調にリファインされた茶室でお茶を啜っていた。年は年期の入った顔や躯の皺が表している。

 一息入れ
 
 「うまいな」

 その連の少し離れた横に、杉田は脚を組んで座っていた。

 「うまいでしょ?煎茶・一芯二葉のお茶なんですよ。最近はほとんど見ません。作る人、少なくなりましたからね」

 「そうだな。中国の吉林省の日新半波李もこれでなかなかうまい。チャンジャと呼ばれる、魚の内蔵をコチュジャンで発酵させたのを茶漬けで喰うのもうまいですぞ」

 「へぇ〜。それはうまそうだ」

 二人は談話しながら、尚之の話に移る。

 「・・ところでサルベージ・シークエンス、どう思いますか?」

 「物質、質量を量子に置き換えサブバラードに分解され夢に近い電気的信号でやりとりする・・説明すら不十分の世界?セル・フィッシュ?。成功は数値化しても希望すら見えないでしょうな?」

 「ええ・・それでも、やるしかないですよ」

 杉田は、畳にねっ転がると寝息をたてはじめた。

 「眠ってませんから・・」

 杉田は寝ぼけた口調で、喋るとまた、寝息をたてた。

 

尚之君!

2003年6月29日
 躯が、冷めた彼女は僕の胸に抱かれている。

 低体温症に罹っている彼女は、その透き通るような肌を、一層浸透深く・・・


 かくゆう僕も、青タンだらけで全身にある傷口からは血がにじみ出る。

 耳からも少量の血が流れていた。
 「フー・・もう、体力ないや」

 弱弱しく独り言を云う少年。

 少年少女の座っている場所は荒廃とした場所で、瓦礫で出来た壁にもたれていた。

 その少年たちの眼の前に、長さ3?直径1?のボトルが数個転がっていた。

 封が解かれ、中身がない。貼ってあるラベルに、“タンパク質変換RNA”“ベクトル・アンチミラーゼ”と薬品用語を印刷してある。

 自分の手を見る少年。

 血で汚れ、BSの切断したチューブから噴出したブラック・オイル・オイリーも付着していた。

 自分の胸に顔を埋めている少女の頭を撫で、少年は少しの仮眠を済ませる。

 

精神と

2003年6月28日
 イレギュラーな恐怖。
 
  2と3の羅列は、少年の精神を汚染していた・・・

 「うわああああああ!!!」
 
 無数に出現しては襲ってくる敵、BS。

 降りかかる火の粉を払うように、少年はLEX・KNIFEを駆使しBSを斬り続ける。

 ショートの黒髪は、BSの切断されたヴィーゼルから噴出するどす黒い“ブラックオイル”に汚され、整った精悍な顔立ちは苦痛に歪んでいた。纏っているゴム状に形成された上着とケプラー繊維のハーフパンツの専用軍服はより一層身体を締めつける・・少年は、感情を剥き出しのまま吼えていた。

 志操は崩れ去り、理性は本能に侵食されゆく。自己の本能か、生の・・性への固執か斬り続ける少年の口元は、歪にひきつる。

 やがて、少年の意識は別の世界へといざなわれる。

 ≪精神感応の侵食率74.5js・・−値です。2層表示HDに空間歪曲確認。2筒の並行ホールバイパス確認。モニター、HDに表示されます≫

 オペレーターの淡々とした声が、杉田のイヤーマイクに響く。

憎しみ。

2003年6月27日
 憎しみは、なにも生まないのだろうか。

 なにも、育たないのだろうか・・

 憎しみの哀しさは、誰かを哀しませないための傷なのではないのだろうか?

 ただ、それを使う人間が

 ヒトが・・

 そうさせるだけなのではないのだろうか?

 

ケモノ・・

2003年6月25日

 強大になってゆけ

 凶人になってゆけ

 そして


 傷つけ

 その本能で、

 バケモノヘ

 うなれ

久しく観て。

2003年6月24日
 エヴァ着ました。


 久々に観たため、前のような熱はなくしかし目線は定まった感じで観賞してます。

あと、キノ買いました。

いいねえ[嘘つき達の国]

ああそう云えば、羊の歌コンプリート!!

「私たちは、羊の群れの狼じゃない・・牙を持って生まれた“羊”なのよ」

痺れました。いやホント

好きなキャラクター

八重樫 葉

日向 ヒナタ

帆波 たまえ

ありがとう、勇気。

2003年6月15日
 
 ありがとう勇気

 君がいたから彼女に告白ができた。

 ありがとう勇気

 君がいたから、彼女にくちづけを・・・
 
 
 そして

 憎むべき勇気

 君がいたなら彼女を、救えただろうから

【LEX KNIFEと少年】

2003年6月13日
 グリップを握り、右脚を前に出し。それから左脚に力を篭め体を柔軟にナイフのバックポイントを左手で押す。そのままグリップを握っている手とともに前に押し出す。

 「そこだ。そのまま重心を移動し、標的を?純粋?に斬ろうとしろ。下手な雑念は、ダマスカスのようにはいかん。うまくホットゾーンにもっていけ。コールドにも気を配るんだ」

 その畳の、純和風を感じる道場のような広い室内で少年はナイフのポイントだけを見つめていた。

 「はい」

 少年は青息吐息ともに返事をした。

 着ている黒い袴と白胴着が躯にへばりつく。

 汗は、既に滝のようだ。

 「それでは駄目だ。感知されてしまう。発汗はなるべく抑えろ。グリセリド感知装置がある場所では、もう既にお前は死んでいるぞ」

 淡々と、師範は喋る。それに耳を向けている少年。

 もう一度息をして少年は、はい、と短く答えた。

 「よし、散散(ちさん)せずにいる。その部位は合格だ。どの方角にも精神を散散せず聴覚を向けるのはうまいぞ」

 師範に云われ、少年は少し笑った。
 

スマイリー。

2003年6月12日
 
 捜してる。

 電柱に[捜してます]のポスターも貼った。いそうな路地裏もまわった。

 ・・でも

 何処にも存ないんだ。

 本当は、何処にもいないのか?

 捜し続ける理由なんて、捜せばいっぱいあるのに。

 その友達の名前は、

 ≪スマイリー≫

今日の日記

2003年6月11日
 
 歩くんだ。途方もない世界を。

 脆弱な脚を糧に。どういう風に、世界が廻っているかを見に。

 融通の利かない眼を引き千切って、どうにか脚はついてくる。

 まだ、大丈夫かい?僕はそっと脚をなでた。

 生きるために、僕はどれだけの自分を殺してきたのだろ。

 数多なのか、幾多なのか・・

 それすら思い出さない。

 最後に、行く手の最後にあるのが?死?であっても・・僕は

 「あるかないと」

野望な話。

2003年6月10日
 
 イラスト、本当にうまくなりたい。心の・・心底から感じる。

 頭の中に、既に決まった物語がある。

 大体三部作。1,000年のお話。

 繰り返される輪廻(ロンド)のお話です。

 タイトルも、出るキャラクター達もみんな決まっているのに・・
 
 自他共に認める下手ぶり・・ここまで云えば単なる、そうたんなる自虐です。

やさしさ。

2003年6月9日
やさしさが、時にヒトを傷つけることを君は知らねばならない。
 僕は、君を殺せるほど強くはないから。
 
 僕は、君にやさしさをあげれるほど弱くはないから・・・

その傷が

2003年6月3日
 その傷が、君を強くする。

 その弱さが、常に君を監視する。

 だから、だからもっと僕は強くなる。互いに傷つけあっても、それがまた僕等を強くする。
  
 大きくその翼を波及し、手に余る力をその刃に。

 美しく、その身を、その躯を
   
 僕は、弱い人間で

 ヒトを傷つけることが出来ないほど脆弱で・・

 ≪LBS[NUBR(以下N)]の起動確認、バイパス結合・・接続認証。コード077−。HBDの始動。回転率60.7〜90.0gq。初速7.6。ファイヤー・ザ・ボール・・GOサイン、コンバットシミュレーションスタート≫

 [N]の速さは凄まじかった。一瞬にして僕の頭上に飛翔し、右前脚を振り下ろす。

 僕は心の片隅で、心耳で卑称して。

 「遅い!」

 静かに、口で咀嚼する。

 バジュっ!!

 右前脚の攻撃肢と二の腕にあたる部分を縦に切断、すぐにディフェンス・コンディション・モードに移行し僕の少し前に着地する[N]の左前脚を二の腕と腕で締め上げ、LEX・NKIFEで斬りつける。

 チューブとともに、紫の粘液状の液体が噴出す。むき出しになった精密機械の中を、KNIFEを使ってグチャグチャにかき回す。

 電気信号の擬似ニューロンの絶叫で、一瞬動きに制限がかかる。

 それから後ろにバックステップ。体勢を整える。

 頭部の顎下に最後の一撃を喰らわせる。
 

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